ハム・ソーセージ豆知識

1. 日独英のハム・ソーセージ

日本語ドイツ語英語
ハムSchnken (シンケン)Ham (ハム)
ソーセージWurst (ヴルスト)Sausage (ソーセージ)

2. ハムのおはなし

本来、ハムとは「豚のもも肉を塩漬け燻煙したもの」をいいます。
したがって、ボンレスハムや骨付きハムがハムに該当します。

日本では、「豚の背肉(ロース)を塩漬け燻煙したもの」をロースハム といっています。
ロースハムは、日本独特のハムで日本農林規格(JAS)で定められています。

3. ベーコンのおはなし

本来、ベーコンとは「豚のばら肉」の意味ですが、一般には、「豚のばら肉を塩漬け燻煙したもの」をベーコンといいます。

4. ソーセージのおはなし

ソーセージの語源には、Sau(牝豚)とSage(香辛料のセージ)という語が合成されてできたという説や ラテン語のSalsus(塩漬け)からきたという説など諸説があります。

日本農林規格(JAS)によるソーセージの定義は多岐にわたりますが、 簡単に表現するならば「豚や牛などの肉に香辛料などを混ぜケーシング(包装材)につめたもの」 といえます。

日本では、一般に腸詰(腸をケーシングにして詰めたもの)をソーセージと呼んでいます。

ソーセージの名前

ソーセージにはヨーロッパの地名を商品名に付けたものが多く見られます。 ソーセージは、それぞれの地方により確固たる製法があり、それを表すのがソーセージの名前なのです。

製品名説明
ボロニアソーセージイタリア中部のボロニア地方の代表的なソ-セージ
フランクフルトソーセージドイツのフランクフルト地方の代表的なソ-セージ
ウィンナーソーセージオーストリアのウィーン地方の代表的なソ-セージ
リオナーソーセージオーストリアのウィーン地方の代表的なソ-セージ

しかし、日本農林規格(JAS)では下記の表のように「分類の名称」として使われています。

分類名概要
ボロニアソーセージ牛腸を使用したもの。又は製品の太さが36mm以上のもの
フランクフルトソーセージ豚腸を使用したもの。又は製品の太さが20mm以上36mm未満のもの
ウィンナーソーセージ羊腸を使用したもの。又は製品の太さが20mm未満のもの
リオナーソーセージソーセージに野菜、穀物、肉製品、チーズなどを加えたもの
レバーソーセージ肝臓を使用したソーセージ(重量の割合で50%未満)
レバーペースト肝臓を使用したソーセージ(重量の割合で50%以上)

ソーセージの製造方法 

本場ドイツでは、ソーセージを製造方法により4つに分類しています。

分類名直訳概要製品例
ブリューヴルスト茹ソーセージ細切りした生肉に、飲用水(氷)、塩、脂肪を添加し加熱処理したソーセージウィンナー、フランクフルト、ボロニアなど
コッホヴルスト煮ソーセージ細切りした生肉に、飲用水(氷)、塩、脂肪を添加し煮沸処理したソーセージレーバーソーセージ、ブラッドソーセージなど
ローヴルスト生ソーセージ消費されるまで生で貯蔵されるソーセージサラミなど
ブラートヴルスト焼ソーセージ加熱してから食べる保存性の短いソーセージ

日本では、これに1対1で対応する分類はなく、日本農林規格(JAS)の製造法による分類は次のようになっています。

分類名概要
クックドソーセージ湯煮又は蒸煮により加熱したソーセージ
ドライソーセージ加熱しないで乾燥したソーセージ(水分が35%以下)
セミドライソーセージ加熱又は加熱しないで乾燥したソーセージ(水分が55%以下)
無塩漬ソーセージ塩漬していないソーセージ

参考文献
食肉用語辞典(日本食肉研究会編)
フライシャー・マイスターの専門知識(食肉通信社)

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